オデッセイ インプレッション 1000km 6000km

インプレ at 1000km

〜ラクちん・楽しい・デカい・狭所は苦手〜

オデッセイの乗り心地は、マイルドで大変快適だ。18インチホイールにも関わらず、脚がしなやかに動いているのが良くわかる。街乗りは非常に楽ちん。静粛性も高い。
かといってハンドリングがダルい訳でもなく、楽しみながら運転出来る。
峠道では予想以上の運動性能を発揮した。中速・高速コーナーでは図体のデカさを感じさせない走りだ。箱根の長尾峠のような超低速コーナーはともかく、一般的な幹線道路の峠道では積極的に走りを楽しめる、まさにコーナーリングミニバン(笑)と呼べるクルマだ。
一方、高速道路の安定感は見た目程には良くない。鬼のような直進安定性がある訳でもなく、またやや大きめのピッチングがまれに発生する。更に高速道路での耐横風性能はイマイチ。ステップワゴンよりは遙かに良いが、無限アコードには及ばない。側方投影面積に反比例かな?
バネを柔らかく、ダンパーは堅め、スタビライザーはかなり堅めの設定のようだ。スポーティーミニバンとして、バランスの取れた脚まわりのセッティングだと思う。

エンジンは普通に乗る限り非常にスムーズでトルクフル、全く問題ナシ。余裕の一言。低回転域からトルクが太く扱いやすい。5速ATの1速がローギヤード気味なので、出足は結構早い。FBWの設定なのか、発進時のスロット開度が過剰に大きい気もする。変速も滑らかで、一般走行時には3000rpmまでで事足りる。平均燃費は街乗り中心で8〜10km/l、高速道路中心で11〜12km/l。図体を考えれば健闘している。
ブレーキはしっかり効き、ホンダ車らしく剛性感のあるタッチで不安はない。制動力の強いパッドを採用しているらしく、ホイールの汚れ方がやや激しい。洗車がタイヘン。

シート・ハンドルの調整幅が大きいので、自分好みの運転姿勢がとれる。ただ私の場合、速度計がハンドルに隠れて殆ど読みとれなくなってしまった。ホンダ車はどれもそうだ。何とかして欲しいと思う。仕方なくに後付けスピードメーターを装着した。
シートの座面は厚みがあって良い。欲を言えば、腰椎をほんのもう少し押し出す座面だと尚良い。レカロのように・・・・。




2列目シートは幅方向は広大、縦方向はやや短い。もう少し座面が大きい方が良いのではないかと感じる。足下スペースは文句のない広さだ。リクライニングも可能なので、シートベルトを着用しても苦にならない。
3列目シートは思った以上に広くて使える。さすがにステップワゴンには敵わないが、大人でも実用的に使える広さ。子供ならば楽勝。
ラゲッジルームは狭い。ステップワゴンよりも狭い。7人乗れても7人分の荷物は無理だわ。スキーやキャンプなど、携行品の多いシチュエーションでは、3列目を畳んで積み込む他ない。



内装プラスチッキーでチープとよく書かれているが、私は殆ど気にならない。ステップワゴンもこんなもんだし、パネルを撫で回すわけでもない。ただサンバイザーのチケットホルダ、ここは良く触る場所なので、これだけはもうすこしシッカリした素材で作って欲しかった。あとダッシュボードのフロントウインドウへの写り込みが気になる。もっと写り込みにくい素材や形状はなかったのだろうか。



良好な側方視界に加え、マルチビューカメラの効果もあり、1800mmの全幅も思ったほどには気にならない。ただ絶対的にデカイことはデカイ。意外なことに車幅よりも全長(4800mm)やホイールベース(2830mm)の方が気になる。出来れば幅4m以下の道路はあまり走りたくない。小回りがきかないのが、今の所一番の不満。分かっていたことだけど。
マルチビューカメラは結構役に立つが、夜は苦手。はやり目視が基本。

ヘッドライトのロービームはプロジェクターレンズのHIDだ。光軸自動調整装置が付いているおかげで、ロービームでかなり遠くまで照らし出す。HIDなので明るさも申し分ない。私の知る限り、最高のヘッドライトだ。文句ナシ。

メーカーオプションナビはHDDタイプだが、思った程反応速度が速くない。もうちょっとサクサク動くように出来ないモノだろうか。プログレッシブコマンダでの操作にはイマイチ慣れない。テンキーが使えないのも不便。

ナビにAV機能が含まれている。CDの録音も出来、使い勝手は悪くない。純正スピーカーは高音域が素直に聞き取れ、純正にしては結構良い方だと思うが、音量をあげていくと中低域に物足りなさ、歯切れの悪さを感じるので、機会を見て交換しようかと思う。

DVDの再生やワンセグ視聴も可能だが、走行中は音声のみとなる。ナビユニットのパーキングブレーキ信号をアースしてみたところ、パーキングブレーキを解除しても映ったが、走り出した途端にTVが映らなくなった。どうやら車速信号も関係しているようなので断念。

あと、オデッセイにしては今の所あまり売れていないので(笑)、街中での注目度は結構高いぞ。



インプレ at 6000km

・足回り
納車から6ヶ月が経過したが、足回りのセッティングに対する満足度は高い。ショックアブソーバーがなじむと共に、脚がよりしなやかに動くようになり、荒れた路面も苦にならない。フラットで快適な乗り心地だ。

・コーナーリング
箱根の峠道を、ややハイペースで走ってみた。御殿場IC-長尾峠-芦ノ湖スカイライン-箱根新道のコース。クルマの性格上、決してタイト攻め込んだわけではなく、タイヤが軽〜く鳴く程度(笑)。
長尾峠の曲がりくねった低速コーナーでは、予想通りに図体のデカサをもてあます(笑)。またステアリングホイールを180°以上切り込むコーナーでは、このパドルシフトは非常に使いづらい。ハッキリ言って、長尾のような細くて曲がりくねった峠道ではあまり楽しくない。ただ、低回転トルクの太いエンジンは、この低速コーナーにマッチしているようだ。
見通しの良い中速コーナーが続く芦ノ湖スカイライン、ここはオデッセイが活き活きと走ることの出来るステージだ。ハンドリングの軽快感・安定感のバランスが、この道路のカーブのリズムにとても良くマッチする。ステアリングホイールの切り込み角も大きくないので、パドルシフトが使いやすい。急な登り勾配にもトルクフルなエンジンが余裕で対応。非常に楽しく、気持ちよく走ることが出来た!
急勾配下り、高速コーナー主体の箱根新道。交通量も多いのあまりでトバす道ではないが、オデッセイの相性は良い。ブレーキのゆとり、ワイドボディによる高速コーナーの安定感、パドルシフトによるエンジンブレーキの細かなコントロールなどがプラスに働いているようだ。

・直進性
高速道路での直進安定性も、納車当時に比べ多少改善した。ショックアブソーバーのなじみと、タイヤがむけてアタリが出てきたのだろう。変なピッチングも影を潜めた。直進安定性が良いと言い切れるクルマではないが、悪くもない。まぁ、こんなもんかなという感じだ。タイヤの銘柄や、アライメント微変更でもう少し真っ直ぐ走りそうなものだが・・・・。
また100km/h前後の速度域からの全力加速能力は、DOHC VTECエンジン搭載車としては物足りない。5500rpmあたりでハイカムに切り替わってるようなのだが、VTEC特有のグォーンとかグヮーンといった迫力の回り方はしない。あくまでフラットトルク。

・静粛性
納車当時はトヨタ車のように静かな車内だったが、走行距離が増えるにつれカタカタ・カサカサと内装に起因する異音が聞こえだした。これぞホンダ車(笑)!まぁ、ロードノイズの遮音がシッカリ出来ているからこそ聞こえてくる異音であって、カーステONにしたら聞こえないレベル。ホンダ乗りなら全然大丈夫。また、アクセルを踏み込んだ時のエンジン音は、相変わらず心地よいホンダミュージック

・ユーティリティ
この巨大な車体のメリット・デメリットは、概ね予想通りだ。私の日常的な行動範囲は、都心〜横浜〜厚木あたりのいわゆる都市部なのだが、このボディーサイズは明らかにデカすぎ。コンビニやコインパーキングで不便を感じることもしばしば。細い裏道や、狭い駐車場は避けるようになった。まぁ、それでも何とかなるのですが、やっぱ都会では5ナンバーが良いなと思いました。
一方、広大な車内空間は同乗者に好評。私も病院の駐車場などでは車内で時間をつぶすことが多いが、確かに広いリアシートは快適。3列目シートも思ったよりも使える。また重い車体はバネ下重量比を相対的に下げており、乗り心地の向上にも繋がっているようだ。時代はエコなんだけど。(^^;

・総評 at 6000km
ゆったりと走りを楽しめる、それがこのクルマのイチバンの特徴かと。前車、無限(?)アコードは確かに走りが楽しかった。高回転型エンジン、振り回しやすいボディ、適度に固められた足回りなどのおかげで、低速コーナーを積極的に飛ばしたい、やもすると額に少々汗をかきながらクルマだった。一方このオデッセイは、絶妙なセッティングにより、さほど速度の速くないコーナーリングでも楽しめるクルマに仕上がってる。クルマが「アクセル床まで踏んでくれ!」と語りかけてこない(笑)。早さはこんなモンで充分だろって、涼しげに運転を楽しめる大人(オヤジ?)のクルマです。




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